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CS-Column no.15
『The Possibility of College Soccer』

カテゴリ:明治大学サッカー部


近年日本サッカー界の中で着実に存在感を示しつつある大学サッカー。
長友佑都に代表される大学サッカー出身の選手は現在の日本サッカー界を支える重要な存在だ。
現在のJリーグ得点ランキングを見ても上位に名を連ねる若手日本人選手は、
大学サッカー出身者が多い事に気付く。
そんな大学サッカー界で最もレベルが高いと謳われる関東大学サッカーリーグの昨年度覇者明治大学。王者明治の監督を務める神川明彦氏が「大学サッカーの可能性」について語った。

(※インタビュー日:2011年8月10日(水))

 

“「良い守備から良い攻撃へ」これが明治サッカー。”

—先日は天皇杯の東京都予選で慶應義塾大学相手に逆転勝ちを収めました。
 今季開幕戦で敗れた相手に対しての勝利でしたが、ここに来て徐々に調子が上がって来たのでしょうか?



 そうですね。一番状態が悪かったのが、開幕してしばらく勝てなかった時期でした。まさにどん底状態でした。
 ただ、徐々にチームは調子を取り戻し、総理大臣杯で3試合戦ったことでチームとして何をするべきか明確になってきました。先日の慶應戦は今季のベストゲームと言って良いほど、選手の気持ちが見えた試合でした。運動量が多く、球際での争いに勝てたことが、勝利に繋がったと思います。




—次戦はJFLの町田ゼルビアが相手となりますが、対策などは既に立てられているのでしょうか?



 最近は全く相手チームへの特別な対策は立てていません。自分たちのサッカーをやり抜くのみだと思っています。

(※編集部注:インタビュー後の13日、東京都サッカートーナメント(天皇杯東京都予選)準決勝で明治大学はJFLのFC町田ゼルビアと対戦。主力不在の中格上相手に健闘を見せたが、結果は1-3の敗戦)




—それでは、今季の明治サッカーの特徴とはどのような所にあるでしょうか?



 昨年チームを支えた、山田・小林(共に現ジュビロ磐田)、久保(現ジェフ千葉)が抜けた穴の大きさは事実です。
 ただ、我々は彼らの穴を埋めようという意識ではなく、今いるメンバーで新しいサッカーをやっていこうとしています。前期は震災の影響などもあり満足いく結果を出せませんでしたが、まずは守備からリズムを作り、攻撃に繋げていくというサッカーをやっていこうと思っています。




—確かに、「まずは守備から」という所で、現在開催されているユニバーシアード日本代表に高木・丸山・宮阪選手が招集されているように、守備にタレントが豊富な印象を受けます。



 目立っているのは確かに彼らかもしれませんが、決して前線にタレントがいない訳ではありません。
 ただ、うちのサッカーというものが、「良い守備から良い攻撃へ」というコンセプトでやっているので、どうしても守備の選手がクローズアップされる機会が多いです。それはOBの長友佑都(現インテル・ミラノ)のような後ろのタレントの輩出に象徴されるかもしれません。

 

“監督の存在が消えた時、本当に強いサッカーが出来るようになる。”




—それでは少々話は変わるのですが、そもそも神川氏の監督就任の経緯とはどのようなものでしょうか?



 1993年に指導者ライセンスを取った事を契機に、94年から正式にコーチに就任しました。監督就任の大きなキッカケになったのが、2003年のユニバーシアード大会でした。現在、奈良産業大学の監督であり、関西大学サッカー連盟理事長の西田裕行さんとコンビを組ませて頂いた時に、自分の中で成長したという実感がありました。
 また2003年にはIリーグ(※インディペンデンスリーグの略。選手の出場機会増加を目的に設立された)が始まったのですが、その時に誕生した「明治FC2003」の監督を務め、初代日本一に輝く事が出来ました。そこで自分の指導者としての力に自信を持てるようになりました。もう1つ挙げるとすると、2005年から関東リーグのレギュレーションが変更されるということもあり(※それまでは1部8チームのリーグとして運営されていたが、2005年から1部12チームになることが決定していた。2003年当時明大は2部に所属)、このタイミングで自分が監督としてやりたいと強く思うようになりました。
 そうして、2004年にヘッドコーチに就任し、2005年から監督という立場になりました。
 2004年にヘッドコーチになった際、明治大学サッカー部初の試みとして東京ヴェルディと業務提携を行いコーチ派遣が始まり、現中京大学サッカー部監督の西ケ谷さんにお越しいただき指導して頂きました。また、フィジカルコーチの芝田貴臣(現横浜FCフィジカルコーチ)くんがトレーナーとして来て頂くようになりました。そのようなプロの職人のような方々と、私のようなアマチュアのヘッドコーチが3人4脚という形で2004年の2部リーグを戦い抜き1部昇格を決めました。




—神川監督が理想とするサッカーはどういったものでしょうか?



 様々な切り口で答えられると思いますが、“大学サッカー”といった観点から見れば、「大学生らしいサッカー」が理想です。キックオフからタイムアップまで、決して上手くなくても良いので、ひたむきに走り切り、戦い抜く姿が理想です。
 また、中身の“サッカー”そのものについて理想を語るならば、バルセロナのように果敢にボールを繋いで攻撃的な姿勢を貫くサッカーが理想です。ただ、その中で球際の厳しさや攻守の切り替えの早さを意識し、守備でも抜群の安定感を誇るサッカーが理想です。




—影響を受けた指導者などいますでしょうか?



 特にはいません。
 戦術とは幾ら理想があった所で、その場にいる選手達の特徴などを見なければ決められないものですし。
 私の場合、嫌いなサッカーというのは沢山あります。走らないサッカー・すぐ転ぶサッカー・声の出ないサッカー・ディフェンスのぬるいサッカー・審判に文句言うサッカー等、見ていて嫌なサッカーは沢山あります。その逆をやっていけば、やりたいサッカーが実現出来るかもしれません。私は監督に就任して最初に、自分の価値観を示しました。自分の好き・嫌いをハッキリと具体的な事を選手に伝えました。




—となると、選手も監督の考えを汲んでサッカーに取り組む姿勢が自ずと身に付きますね。



 そうかもしれません。ただ、願わくは僕の想像を遥かに越えるものを見せて欲しいものです。いわば監督が必要なくなるようなサッカーです。
 一番それを感じたのが、2009年度のインカレ決勝です。あの試合は私が監督に就任してから初めてスタメン11人のみで試合が終わりました。何が言いたいかというと、監督の存在が消えた時、本当に強いサッカーが出来るようになるのかと思っています。「勝ちたい」という気持ちが強く、文字通りチーム一丸となった試合でした。


“「何のためにここにいるのか?」「自分にとってサッカーとは何なのか?」大学4年間で自分自身と向き合う事の意味は大きい。”





—選手への生活面の指導で気をつけていることはありますか?



 これは口癖でもあるのですが、「何のためにここにいるのか」を自問自答しなさいと言い続けています。
 育ててくれた保護者の方や、支えてくれた人たちに対してどのような回答を出すのか。自分の周りの人の事を考えれば、「今日はかったるいから適当にやろう」等と思えなくなるはずです。これは4年間の間に100回以上言っているかもしれません。




—明治出身の選手は、今年の山田・小林両選手(現ジュビロ磐田)の活躍を見ても分かるように、プロ入り後比較的すぐに活躍する選手が多い印象を受けます。そのような問いの投げかけが関係しているかもしれません。



 あえて付け加えさせて頂くと、“すぐ”かつ“長く”活躍します。
 なぜかというと、モノの考え方が身に付いた状態でプロ入りするからです。「自分にとってサッカーとは何なのか?」この質問に対する回答が見つかっている上でプロ入りするので、簡単な言葉で置き換えると“しっかり”している選手になっていきます。
 またプレー面に関していえば、私は「ひとつのプレースタイルを伸ばす」というような指導をしていません。マルチに色々な事が出来る選手の育成を目指しているので、プロ入り後、どのような監督の元でプレーすることになっても問題ありません。
 片手にメンタル、片手にサッカー理論。この両輪がある程度ハイレベルに備わった状態で選手はプロに行くので、活躍出来るのでないでしょうか。
 ハッキリ言ってサッカー選手も一社会人でしかないので、社会人として求められる当たり前のことを指導しています。




—明大出身以外の選手でも大学サッカー出身の選手にはその傾向が強いように感じられます。



 日本の教育システムを考えると、高校卒業時点で精神的なレベルが完成している人間はほぼ育たないと思っています。
 家庭環境・地域の環境・教育システム。これら全てを見渡すと、この国において18歳で完成された人間は育ちません。高卒でプロになると、精神が脆弱な状態にも関わらず、自己が完成した人間しか立ち入れない社会に放り込まれます。言うならばバランスが悪い状態です。勘違いをして、おかしくなり、長続きしない選手が多いのではないのでしょうか。
 ですので、人としての教育を受け、自分自身と向き合って大学4年間を経た人間だからこそ、プロになっても落ち着いてプレー出来るのではと考えます。
 Jリーグではそこまで厳しい教育をしていない現状があるでしょう。取材等も沢山受けるようになったり、身なりにしても髭なんか生やしたり高価なモノを身に付け、高価な車を乗り回すようでは…。
 私は、日本の教育システムでは身に付かない事、自分で考える事や、感謝する事など、バランスよく幅広い考え方を身につける事を指導するために、いまここで監督をやっています。




—人としての在り方を教えるという部分で大学サッカーの意義というのは大変大きいと思います。ピッチの上の話に移しても、プロ入り後なかなか出場機会を得られない選手が多いのも現状です。



 Jリーグはチームに抱えている人数が多すぎます。フィールドプレーヤーは20人+αで良いのではないのでしょうか。30人を越える選手を保有しているクラブは有り得ないと思います。
 昨年度のバルセロナは19人で戦い抜きました。
 きちんとユースを活かし、近隣の大学等と提携し特別指定選手の枠を確保することで充分やり繰りは可能でしょう。
 やはり選手は試合でしか学べないことが沢山あります。確かに練習でも成長しますが、その練習は試合あってこそのものです。「試合に出ずしてトレーニング語ることなかれ」くらいに考えています。
 試合に出ることによって、自分で考える能力が身に付き、結果寿命の長いプレーヤーとして育っていきます。
 宮沢克行(現モンテディオ山形)など身体能力は決して高くないですが、あの年齢になっても、山形で主将としてプレー出来ているのは、自分で考え、判断する能力に長けているからです。

 

“トレーニング費用の取り分として全日本大学サッカー連盟が持っていく割合はせめて1割程度にして頂きたい。”





—仰るように大学サッカーの重要性は心身両面ともに大きく感じます。
 その中で大学サッカーを取り巻く現状についてどのようにお考えでしょうか?



 まだ日本サッカー協会内(以下JFA)における大学サッカーに対する認知が低いように感じます。もう少し面倒を見てもらいたいというのは正直言ってあります。
 また関東大学サッカー連盟に関して言うと、学生幹事は物凄く一生懸命仕事に励んでくれています。それは涙が出るくらいに。それでもお客さんが入らない現状があります。これはある程度外部の力を使う必要があると考えます。学生だけの力ではやはり限界があります。また理事に名前を連ねている私たちが何か出来るかというと、それはハッキリ言って厳しいです。仕事を持ちながら監督をやってとなると、それ以上の働きは厳しいです。
 ですので、大学スポーツをもっと良くしようと思っている人や組織を上手く絡めながら、大学生の自主的活動を損なわない範囲でやっていけたらと考えます。




—サッカー協会からの支援が少なくなっている理由についてどう認識していますか?



 なぜなのでしょう…。大学サッカー連盟とJFAのパイプが太くないからでしょうか…。
 今深圳でユニバーシアードが開催されていますが、女子代表はJFAのHPに選手一覧が出ているものの、男子は未だにありません。そういった所も非常に勿体無いですよね。




—そういった部分も含め大学サッカーは全体的に広報不足な感が否めません。



 注目され過ぎるのも良くないと思いますが、実力に見合った取り扱いを受けて欲しいとは思っています。
 このレベルの選手達のモチベーションを上げるのは、対戦相手と観客です。観客が入ると全然違うと思うので、お客さんにはもう少し入って貰いたいです。




—トレーニング費用の問題についてはどうお考えでしょうか?



 JFAにはクラブがきちんと支払いをしたかどうかの確認作業を行って欲しいです。クラブと大学間の二者だけでやり取りをするのでは無く、Jリーグ事務局やJFAにきちんと監視というものをして頂きたいです。
 もう1つは、現在全日本大学サッカー連盟が、次代のJリーガーを輩出するための強化費用として、トレーニング費用の4割を持っていっています。目的の部分には賛同しますが、せめて取り分を1割にして貰いたいです。現在の4割は取り過ぎだと思っています。1割程度なら寄付という形で支払う事に納得します。

 

“大学サッカーはこれから益々研ぎ澄まされた存在になる。”

 



—今までのお話にあったように大学サッカーにはまだまだ改善しなければならない課題が多数存在するかもしれません。その中で大学サッカーは日本サッカー界の中でどのような位置づけである事が理想とお考えになりますか?



 1つ目はサッカー選手の供給源として機能すること。
 2つ目は大学サッカーを経て成長した人間が、日本サッカー界に貢献出来る人材として育つ事です。指導者としてでも協会のスタッフとしてでも様々な形があると思いますが、とにかく日本サッカー界に貢献出来る人材を育てたいです。
 そして3つ目として、より広く国内外問わず社会人として活躍出来る人材の輩出です。




—ずばり「大学サッカーの可能性」についてどのように思われるでしょうか?



 いま日本国内に大学は約700あります。一方で少子化が進んでいることにより、大学間競争は益々の激しさをみせています。大学が選ばれる時代に突入している中で生き残っている大学というのは、より研ぎ澄まされた感覚を持っている大学になるでしょう。
 その研ぎ澄まされた大学におけるサッカー部というのは、指導者や集まってくる学生も研ぎ澄まされてくるはずです。
 より次元の高い人間が、大学サッカーを通じて世の中に輩出されていることでしょう。
 そういう意味で大学サッカーの可能性というのは大変大きく感じます。



【writer】

未記入

【プロフィール】

ただのスポーツ好きです。

スポーツが好きで好きでたまらなく気付いたらこんな事してました。



カテゴリ:明治大学 サッカー部

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