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CS-Column no.296
トップリーグ世代の指揮官たち 村田亙(専修大学監督)

カテゴリ:専修大学ラグビー部


 2003年よりスタートした「ジャパンラグビー・トップリーグ」※。その変革期に選手として活躍した選手たちが10年が経った現在、続々と大学の指導者となっている。かつての名選手たちは、いかにしてチームを強くし、大学そして日本ラグビー界に何をもたらそうとしているのか。その現状を探る。

※ジャパンラグビー・トップリーグ・・・2003-2004シーズンよりスタートした、社会人ラグビーの全国リーグ。それまでは各地域リーグの代表が「全国社会人選手権」として短期間で大会を開催していたが、年間を通して継続的な強化をするべく「トップリーグ」を発足させ、全国規模のリーグを約4〜5ヶ月かけて行うことにした。

 

 第1回目に登場するのは専修大学村田亙監督、44歳。私生活で四女の父である村田は、この春新たに70人の息子を預かる事となった。
 今では日本一の強豪となった東福岡高校を2年時に花園初出場に導き、専修大学では4年時にリーグ戦優勝。社会人では東芝府中で活躍し、強豪といえば「東芝府中」と90年代に知らしめた。日本代表としてW杯にも3回出場し、フランスで日本人初のプロ契約選手となり、帰国後所属したヤマハ発動機ではチーム初の関西リーグ優勝—。
 彼の行くところには常に「初」や「優勝」という言葉が共に歩んできた。その男が次に戦いの場に選んだのは、母校の専修大学。ただこれまでと違い、そこに大観衆はいない。大学のグラウンドが主会場となる2部リーグからの挑戦だ。
 7人制ラグビーの日本代表監督を経て、4月に専修大学監督に就任。それから半年が経った10月某日、神奈川県伊勢原のグラウンドに向かい、話を聞いてきた。

第一印象は最悪

就任されて半年が経ちましたがー 

もー大変ですよ。4姉妹だけじゃなくて、70人以上の息子たちを預かったので(笑)やっぱり“全員”見ないといけないですからね。Aチーム Bチームだけじゃなく、やっぱり部員全員が同じ方向を向くと大きな力になるので。


最初のチームの印象はいかがでしたか?ー

もう最悪でしたよ(笑)。規律守れない子がいっぱいいて、当たり前のことができなかったり。今でもそれは言い続けてますけどね。規律守れないから、ルールを守れない。ルールを守れないから反則をして、点を取られる。そうやって繋がって行くんですよね。ラグビーは。
ラグビーは実力がそのまま出て番狂わせが少ないんです。だから地道に鍛えるしかないので、規律・規則をまずはしっかり守ろうということですね。

discipline

今年から練習用ユニフォームには"規律"を表すDISCIPLINEの文字


70人全員で

 今となれば、その経歴からはにわかに信じ難いが、ラグビースクール時代は控えで、東福岡高校にも「中3の時に猛勉強して」入ったという村田。だからこそ「部員全員」での成長を目指す。

「70人全員で」というのはやはり補欠の経験もあるからですか?ー

しょちゅう補欠でしたよ、僕は。ラグビースクールだけじゃなくて、日本代表でも5、6年補欠だったし、ずっと堀越(正巳 現立正大学監督)の後ろでやってましたから、そういう経験が生きてますよね。

出られない選手へのケアはどうされていますか?ー

コミュニケーションを取る事ですね。1対1のミーティングは、7人制日本代表の監督をしていた時も遠征の度にしていましたし、専修来てからも人数は多いですけど、今はもう3回目(3週目)の個人面談を行っています。そうやって密に選手とコミュニケーションを取ると、選手もいろいろ話してくれますし、普段喋らないような話もできますし。
秋になるとどうしてもAチームBチームだけに目がいってしまいがちですが、CチームDチームも頑張っているので、そこで「見られている」という意識がないとモチベーションは下がってしまいますから。みんなを見ようとしています。

明るいリハビリ組選手た笑顔
(左)明るく練習に取り組むリハビリ組(右)練習後に広がる笑顔

 

大学にはオシャレして行け

 学生時代、「ラグビー部で文学部は自分だけで大変だった。しっかり卒論も書きましたよ。あの時代で書いたのは僕ぐらいじゃないですか。」と語る村田。一方で「でも一般の友達がたくさんできた。」と話す。その経験は昨今の大学ラグビーが抱える「学生が会場に足を運ばない」という問題の解決へに糸口にもなっている。


まずは私生活の面から意識を変えていっているようですね。—

スポットではコーチも来てもらっていますが、1日中いられるのは僕だけなんですよね。 だから、すぐ気づいてしまうんですよ。24時間のうち18時間はここにいるようなものなので。

「大学にはオシャレをして行け」と言っているそうですねー

ハハハ、そうですね(笑)やっぱり学生なんで、文武両道は大事だと思うし、頭の良い子はラグビーできて、それでかっこいいんですよね。
だから、まず学校で寝癖つけて学校行くなんてあり得ないぞと。お洒落していけと。そして、ラグビー部と分からないようにしろと言っています。固まると威圧感あるんでね。あと威張って歩くじゃないですか。それが一般の学生には受け入れられないと思うんですよね。

ランチも一般の人とも食べて、一般の学生にも観に来てもらおうよということです。 オシャレしたことで「あの人かっこいいね」とか思って、それが「あの人のプレーを観に行きたい」ということに繋がると思うんですよね。

僕らの頃は強かったんで(大学4年時にリーグ戦優勝し)最終戦の明治戦なんて秩父宮に2万人入って、専修の側で何千人と入りましたからね。トライの度に紙吹雪が舞ったりして、それはもう選手の方も気持ち良くプレーできましたし。 それこそもう一体なんですよね、学校と体育会が。

杉本笑顔照井笑顔
(左)「村田さん自身が見本として実際にやってくれるので、それを吸収しようと練習に取り組んでいます」とSH杉本。
(右)「生活面がガラリと変わりました」と主将の照井。<